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おいしいものは、食べてみないとわからない まずいものもおなじ
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遺跡内を鳥が飛んでいる。
ぼくらはだいぶ深くまで潜った。
まだ青空が続いている。
食料はもう無い。
武器もぼろぼろ。
右足の靴下に穴が2個もある。




ぼくは、泣き虫なのかもしれない。
自分ではあまり、泣くことはないようなやつだと思っていたけど、最近は泣いてばかりだ。
島に来てから二回も。

三回か。

夢に彼女が出てきた。
頭をルフィナさんに譲ったことを怒ったりするでもなく、にこにこと笑っていた。
ぼくは彼女と手を繋いで、地元の山道を散歩した。突然潜水艦に乗ることになり、2人で訓練を受けるのだけど、その訓練というのがキャベツ畑でキツネを捕まえる、というものだった。
ぼくらはキツネを捕まえるために、ずっとキャベツ畑に張り付いていた。


ぼくは幽霊とか呪いとか、未来からの啓示だとかはあんまり信じない。
これはただ単にぼくの脳みそが見せている何かにすぎない。
脳みそには、実際に見聞きしたことしか入っちゃいないのだ。

朝、歯磨きをしている最中に、夢の内容を思い出して、ぼたぼたと泣き出してしまった。
パドマは歯を磨いたりしないので、朝の準備はいつもぼくひとりだ。
歯ブラシを前後させるたびに涙が落ちて、ぼくは歯を磨いているのか、涙が出るポンプを動かしているのかわからなくなった。
歯を磨いているのに、口の中に彼女の脳みその味が浮かぶ。
しっかり歯磨き粉の味がするのに。

ぼくは、昨日起こった出来事をパドマに聞いてもらって、それから抱きついてわんわん泣き喚いてやりたいと思ったけれど、そんなことできるわけがない。
パドマがぼくの涙の香りすら嗅ぎ取るんじゃないかと思うと、なかなかパドマのところに戻る気がしなかった。
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